エスビット チタニウムストーブ
今回ドイツ軍にも採用されているといわれる小さく軽い固形燃料でおなじみの「エスビット」 社の超軽量ストーブ、チタニウムストーブを購入しました。
固形燃料を使うコンロはガスバーナーのように燃焼音がせず非常に静かという利点があり、深夜や早朝でも気兼ねなく使え、固形燃料の扱いも簡単なため、手軽さも魅力なんですね。
また、構造がシンプルで小さく収納できるので非常に軽量なクッカーシステムを構築できるというメリットがあり、登山装備の軽量化に有効です。
アウトドアショップなどで1900円ほどで売られていますがネットショップのほうが安いですね。
本体重量13gという圧倒的な軽さでありながら非常に剛性感の高いチタニウム製ボディ。
燃料を乗せる皿とクッカーを乗せるゴトクのみという潔いまでのフォルムがかっこいいですね。
エスビット固形燃料
こちらがエスビットの固形燃料。
固形燃料といえば旅館の小鍋を温める青いやつをイメージしますが、エスビットは白い角形ですね。
巷ではエスビットからは強烈な臭いがするとのことですが、パッケージに包装された状態では全くニオイはありません。
エスビットの固形燃料タブレットは4gのスタンダード、5g×4の個包装タイプ、14gミリタリー、14gミリタリーの個別包装タイプと4種類あります。
今回、14gのミリタリーを用意。
分包でないミリタリーは3つのタブレットが1パックにされています。箱には2パックの6タブレット入ってます。
14gの1タブレットで約12分燃焼するとのこと。
パッケージから固形タブレットを取り出します。
うっ! なんか、臭いです。これがエスビット臭なのか?!
炙りスルメをベースに輪ゴムを燃やした臭いをブレンドしたかのような、
独特の臭いです。
決して良い臭いとはいえず、触れた指からはずっとにおってきますのでたまりません。
パッケージを開けて残ったタブレットをジップ袋に入れておきましたがニオイが漏れてきます。
このままザックの中やキャンプ用品の中に一緒に入れておくと、間違いなくニオイが染みつきそうなほどです。
パッケージを開けたらタブレット全て使い切るか、分包タイプを購入したほうがよいですね。
気を取り直して燃焼テストをしてみましょう
燃焼テスト
エスビットの輸入代理店、飯塚カンパニーのデータを参照しますと、14gのタブレットで500mlの水を沸騰させるのに7分30秒とあります。データ上ではアルコール燃料よりも高効率ですね。
使用するクッカーはエバニューのTi570Cup。
約20℃の水道水を450mlの目盛りまで満たして沸騰時間を測定してみます。
フタをすれば早く沸騰しますが温度計を入れて水温や気泡の状態を観察したいのであえてフタはかぶせないことにしました。
若干火が点きにくいですがついていてしまえば炎はゆっくりと全体に広がります。
クッカーの底面にまんべんなく炎が当たっているのが確認できます
燃焼すれば臭いはなくなると思いきやまだアノ臭いはします。
室内で使うのはおすすめできません。
5分を過ぎたあたりからクッカーの底面に気泡が見られる状態になります。
温度計は65℃まで上昇しています
約8分ほどでグツグツと煮立ってきますが、水温は90℃を下回ってます。
9分を過ぎたあたりから95℃を越えて沸騰したといえる状態になりました。
しばらく沸騰状態をキープしたまま燃焼を続けます
水温と気温が20℃以上と高めでしたので沸騰時間が早いですが、水温が低かったり気温が低く風のある屋外だと、沸騰までもっと遅くなるでしょう。
14分ともなるとタブレットがだいぶしぼんで炎が小さくなってきますが水温は97℃を差しています。
19分間も燃焼を続け、消火した時点で水温は85℃となりました。
メーカーのデータに対し若干沸騰が遅いデータになりましたが、これはヒートエクスチャンジャー付きの高効率クッカーにフタをして測定しているかどうかの差が出ましたね。
気になる焦げ付き
燃焼時には全くといっていいほど煙を確認できませんでしたが、クッカーの底面に真っ黒いススがついていました。
粗めのスポンジでこすればすぐに落ちる程度のものなのですが、少しに着なりますね。
まとめ
今回のテストでエスビットの固形燃料はアルコールを凌駕する火力を持つということを確信しましたが、強烈なにおい付きというデメリットがあり、持ち運びや保管に気をつかうことと、たとえ避難小屋のなかでの使用を想定するとはいえアノ臭いを充満させるのには気が引けてしまいます。
圧倒的な軽さを生かして、クッカーセットを構築するとか、緊急用には最高のアイテムなのかなと思います。